にじいろのさかな:私は私に誠実であれ

2013年06月05日

私は私に誠実であれ

今日は、素晴らしいドキュメンタリー映画を観てきました。
家族が２，３日前に
この映画を観に行くというのを聞いたのと
映画のあらすじに興味を持ったので
それじゃあ、家族３人で
観に行きましょうということになりました。

観はじめてすぐに
映画の内容にぐいぐいと引き込まれていきました。
観ているうちに胸がいっぱいになりました。
ニューヨーク・タイムズの
ファッション担当の名物写真家
８４歳のビル・カニンガムを追った
ドキュメンタリー映画なのですが
観ている途中でファッションよりも
彼の生き方、ポリシー、誠実さに
泣きそうになりました。

一緒に観にいった家族は
高校生の娘と
ごくごく普通のお勤め人の主人。
この２人も彼の生き方に感銘を受けたみたいで
映画観終わって帰りの電車の中で
３人”ほんとうに素晴らしかったね。”と
なんどもなんども言いあっていました。
世代や性別、職種を超えて
すべてのひとに観てもらいたいと
心の底から思います。

これは、ひとりの男性の
ある意味、信仰に近い生き方を描いた映画です。
私はきのう抱いた疑問の答えを
彼から得たような気がします。
それは、映画の中の彼の語録からでした。
”美を追い求める者は必ずや美を見いだす”
”誠実に働くだけ
それがN.Y.では、ほぼ不可能だ。
正直でいることは風車に挑むドン・キホーテだ”

私は十数年前、神様に誓ったことがありました。
断っておきますが、その時も今も
私は特定の宗教には属しておりません。
ですが、私は自分なりの信仰心は持ち合わせております。
それは、目には見えないものや自然に対してです。
それが、私にとって神様のようなものなのです。
ある時、私はその神様に”私は私に
誠実な生き方をこれからしたいのです。”と誓いました。
いろんなことに疲弊しきっていた当時の私は
そういう生き方をしたい！と思って
そう誓ったのです。
そうしたら、日を置かず
その誓いを試すようなことが起こりました。
嘘ついて逃げようと思えば逃げられるような状況でした。
一瞬、逃げようかとも思いました。
でも、私は逃げずに迷惑をかけた相手に
正直に告白しました。
”逃げようと思えば逃げられたのに
なぜ、逃げなかったのですか？
あなたは、とても正直なひとですね。”と言われました。
さすがに、”神様に誓ったので
逃げませんでした。”とも言えず
返事ははぐらかしました。
神様に誓いをしたことを
私は破りたくなかったのです。
なによりも、私は私に誠実でありたかったのです。
ただ、それだけの理由で私は逃げませんでした。
それがきっかけになって
私は逃げない人間になることができました。

カニンガムさんは
誠実であることは難しいと言いいながら
誠実さを貫き通しておられます。
生き方そのものが信仰のように思えてなりません。
ちなみに敬けんなクリスチャンです。
ただ、過去にその信仰を試されるような
大きな体験をなさっているような
ニュアンスを映画から受けました。
それが、誠実な生き方につながっていったように
私には思えます・・・。
自分のことを”ドン・キホーテだ”と
おっしゃっていますが
ドン・キホーテのような生き方は
弱いひとにはできません。
その姿が生き馬の目を抜く
世界のファッション業界の中で
認められ信頼されているのだと思います。

彼はぶれずに自分の信じる道を生きてきました。
私も私の信じる道を
迷わず生きていこうと思った映画でした。
”ビル・カニングハム＆ニューヨーク”
決して、おしゃれなファッション
満載の映画だけではありません。
ひとりの求道者の人生の映画です。
働き盛りのお父さんにこそ観ていただきたい映画です。
自分の魂に正直になれば
ひとは誰でも彼のような生き方は出来るのです。

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